いい意味で忘れるということ

先日こられたお客様はゆっくり時間があると
沢山お話をされる。

90代後半のお祖母ちゃんのお話になる。

お祖母ちゃんはこの前コケて腰を痛め
入院したんだけど「どこが痛かったんかね～？」
と言ったり、孫である彼女の家に遊びに来たのに
「そんなことあった？いつね？」という。

散々聞いてきた亡きお祖父ちゃんの悪口も
いつの間にか言わなくなり
「そんなこと忘れたわ」と言うんよと話す。

「私はどうも主人にされたことで腹が立って
どうしても忘れられんことがあるんだけど、
こうやってここで話すたびにまた頭に来てしまう。」

「私もいつかそう言って主人にされたことを忘れる時が来るのかな…」
ぽつりと言う。

お祖母ちゃんは色んなされて嫌なことを今は許したのか
いつまでも考えてても過ぎたことだからと忘れるようにしたのか
それはわからないけれど
「考えさせられますよね。」と言われた。

「またお今日も長居していらん事話しましたね。
でも前を向くしかないよね！」高らかに声を上げて笑って帰られた。

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